エドワード・マクダウェル「野ばらに寄す」

エドワード・マクダウェルという作曲家、特にクラシック音楽ファンではないと知らない人も多いかもしれません。MacDowellという綴りからもわかるように両親がスコットランド系とアイルランド系の移民でした。19世紀末のアメリカを代表する作曲家、ピアニスト、後にコロンビア大学の教授も務めました。

今日はそのマクダウェルの作曲した「森のスケッチop.51」というピアノ小曲集の中から「野ばらに寄す」という小品をご紹介します。マクダウェルの作風はロマン的な情緒を湛えたものが多いですが、この作品も小品ながらとても美しい曲です。その昔「ウィルヘルム・バックハウス」(注)という大ピアニストが「難しくなくて美しい作品が沢山あるのに、何故難しいものを求めるのだろうか。野原一杯に美しい花が咲いているのに、何故、樫の木から花束を作ろうとするのだろうか」と言った事があります。勿論これはアマチュアのピアニストに向けての言葉だと思いますが、バックハウス自身がかつて「絶妙な花」と呼んだ25曲のピアノ作品があります。その中にこのマクダウェルの「野ばらに寄す」も入っています。

管理人も昔、成人してからピアノを習い始めた頃、バイエルなどはそっちのけで(一応バイエルは苦もなく卒業しましたが)自己流で色々な曲を弾き始めました。この曲も最初に弾いたいくつかの曲のひとつだったような気がします。技術的には易しい曲ですが、美しい和音の重なりや微妙に変化する内声部の動きなど、とても感銘を受けました。大曲だけが音楽ではない・・・・ということを身に沁みて感じる珠玉のような作品だと思います。

(注)ヴィルヘルム・バックハウス(Wilhelm Backhaus)1884.3.26~1969.7.5
ドイツ生まれ(後にスイスに帰化)の大ピアニスト。卓抜した技巧の重厚な音楽を作るヒアニスト。ベートーヴェンの直系の弟子として、ベートーヴェンの解釈には定評があり、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番は、バックハウスの最も愛奏した曲のひとつです。またベーゼンドルファーのピアノを好んで弾いたことでも有名です。

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