ビル・エヴァンス

ビル・エヴァンスのプロフィール

1929年8月18日生、6歳からピアノを始め、翌年にはヴィオリンを習い始め、13歳でフルートも始めました。12歳で兄のハリーのジャズバンドに代役で加わり、コードに無い音を弾いてその響きに自分で驚き、ジャズのとりこになったとの逸話もあります。

1950年には音楽系の大学を卒業しました。
大学のコンサート・バンドでは最初はフルートを担当していたということですから、こちらの方の腕前も相当だったと思われます。その間にもビルのピアノ技術は益々磨きのかかったものとなり、学期末の成績では、教師達から「素晴らしい才能」「無限の可能性」などという賛辞があるほどの成績でしたが、反面無味乾燥な音階練習などには熱心な学生ではなかったようです。しかし、ひとたび曲を弾かせると古今のクラシックの名曲・難曲を楽々と弾きこなしたといいます。大学ではモーツァルト、ベートーヴェン、ラフマニノフ、ラヴェル、ドビュッシー、バッハ、ガーシュインなどの曲を学び、ラジオで公開放送されたこともあります。2年生の終業式の時にはベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番を名誉学生として全曲演奏しました。

このようにクラシックのピアニストとしても充分な才能があり周囲からも期待されていたビルですが、子供の頃から魅かれたジャズの魅力が忘れられず、平行して独学でジャズの勉強もしていました。しかし、ビル自身、クラシックの道に進もうかジャズの道に進もうか迷っていた時期もあるようでした。結局ジャズの道に進むのですが、この先のビルのジャズ界での活躍を記していくと一冊の本になってしまうので、
とりあえずビルの最初の音楽のバックボーンにはクラシック音楽があったということを述べておきたいと思います。

なぜなら、このことがビルのピアノ演奏に独特の特色を与えているのも事実で、美しいペダルワークなどはこの頃自然に習得したものだと思われるからです。また、ビルのピアノタッチのことですが、よく、ビルのピアニシモを聴いて軟弱だとか女々しいとか言う人がいますが、これはとんでもない勘違いだと思います。若い頃ビルの左手は「ウォーキングする10度」とか「確実な指捌きの王」とか言われたものです。
あの大きな手が繰り出すタッチは相当に力強いものだったはずです。ゆえに彼のピアニシモは宝石のように輝いて美しいのです。

ビルの音楽を愛する人はジャズファンのみならず、クラシック音楽畑の人にも多くいます。クラシックのコンサートピアニストで、教育者でもあったイギリスのピーター・ペッティンガーという人は、ビルの分厚い研究書ともいえる本を出しています。因みに日本では「水声社」という出版社から「ビル・エヴァンス・・・ジャズピアニストの肖像」というタイトルで発売されています。

ビル・エヴァンスの入門アルバム

ビルの入門編というか、最初に聴いて欲しいアルバムは何が良いのか?いろいろ迷いましたが、やはりビルがマイルス・デイビスのバンドを辞めて初めて自己のピアノ・トリオを結成した頃のアルバムが良いかと思います。スコット・ラファロという天才的なベーシストとの出会いが生んだビルの初期の傑作が4枚あります。どれも優れたアルバムですが、今回はその内の1枚をご紹介します。

Portrait in Jazz  Waltz for Debby

さて、私が選んだ写真の2枚のアルバムですが、左側の「Portrait In Jazz」のほうが、右側の「Waltz For Debby」よりも録音は古いのですが、(と言ってもほんの半年ちょっと前です)とっつきやすさと言ったら「Waltz For Debby」です。なので今回はこちらをご紹介します。

1961年6月ニューヨークのヴィレッジヴァンガードという有名なジャズ・クラブでのライブ録音です。グラスの触れる音まで生々しく録音されています。

アルバム「Waltz for Debby」の曲目の解説

1曲目「My Foolish Heart」

ネッド・ワシントンとビクター・ヤング作の美しいバラードです。ビルはヴァースを省略していきなり主旋律から入ってきます。ビルの最初の単音が鳴り、ほんのわずか遅れてラファロのベースがブンと入ってきます。ポール・モチアンのブラッシュワークもよい感じです。ビルは極力シンプルに、単音を生かして美しくメロディーを奏でます。このシンプルな演奏がこの曲の魅力を充分に発揮しています。当たり前ですが、同じ曲をソロピアノで弾くときは全然違う弾き方をします。この曲に関してはアドリブも控えめ、原曲の良さを尊重した演奏と言えます。

左の動画はビルの「My Foolish Heart」のライブ演奏が聴けます。但し、このアルバムのメンバーではなく、ベースがラファロの後釜に入った「チャック・イスラエル」という人。どうしてもラファロと比較されてしまいますが、どうしてなかなかのベーシストです。ビルも大変気に入っていたベーシストです。この演奏も素晴らしい演奏です。音質は悪いですが、映像付きなのでビルの指使いなどを見ることができてファンにはたまらないものになっています。右側の動画はオリジナルレコードの演奏で、ベーシストはスコット・ラファロです。聴き比べてみると面白いですよ。

「My Foolish Heart」

2曲目「Waltz For Debby」

ビルの作曲した作品ではもっとも有名な曲です。実兄ハリーの娘、ビルの姪のデビーのために書いたと言われるとても愛すべき3拍子の曲です。転調を繰り返す複雑な構造の曲にもかかわらず、それを気が付づかせない可憐な美しい曲です。ビルがシンプルな単音でテーマを弾くとそれを包み込むようにラファロのベースが厚みをもってサポートします。アドリブに入ると一転して4拍子になり、快調にドライブするアドリブを展開します。ラファロのベースソロも自由奔放自在です。このアルバムのこの曲の演奏を聴いて天上の音楽だと評した音楽評論家もいました。

「My Foolish Heart」と同じメンバーです。こちらも素晴らしい演奏です。本当にビルの演奏はつまらないものはありません。

「Waltz For Debby」

2曲目「Waltz For Debby」Take1

3曲目は「Waltz For Debby」のテイク1.こちらのほうがボーナストラックとなっています。通常のロックやポップスよりもジャズでは別テイクというのは重みを持ってきます。アドリブ主体なのでそのアドリブが全然違うものであるし、テーマの演奏は1テイクがいいけどアドリブは2テイクのほうが断然良いなどということがよくあります。こちらはどちらが好きか判断してみてください。

4曲目「Detour Ahead」

(Carter-Ellis-Frigo)という私の知らない作者の曲ですが静かなバラードです。印象的なメロディーラインを持つ曲でビルのピアノもラファロのベースも抑えながらも熱のこもった演奏を繰り広げます。ポール・モチアンのブラッシュワークがよく目立ちます。

5曲目「Detour Ahead」Take1

こちらもテイク1がボーナストラックになっています。

6曲目「My Romance」

リチャード・ロジャーズ作の美しい曲。私の大好きな曲です。最初の1コーラスはビルのピアノ・ソロなのですが、原曲の美しさもさることながら、この曲をこれほどまでに美しく弾いた演奏は他に知りません。美しいけれど、感傷に流されたものではありません。適度に緊張感を感じさせる和音、絶妙なペダルワークとルバート・・・甘々のポピュラーピアニストなどがこの曲を弾いたら、すごく安っぽい曲になってしまうかもしれません。2コーラス目からはラファロのベースも入りメロディーの展開からアドリブに入っていきます。ミディアムテンポですがスイングするアドリブが力強く素晴らしい。よく、ビルのアドリブはスィングしないとか言う人がいますが、ビルのアドリブのフレーズが単純ではないうえ、リズムキープが正確すぎるゆえにそう感じるのかもしれません。

7曲目「My Romance」Take2

こちらはテイク2がボーナストラックです。私は終わりのテーマ部分はこちらのほうが好きかな。

8曲目「Some Other Time」

レナード・バーンスタインの作曲になる、ちょっと難解だけれども綺麗なバラードです。途中転調するあたりとてもスリリングでゾクゾクと来ます(~o~)ビルのピアノソロの素晴らしい演奏もあります。

9曲目「Milestones」

曲名からも推察されるとおり、マイルス・デイビスの曲。
全編モードで演奏されています。モード手法というのは確かに当時の手法としては新しい手法でしたが、モード1発というのはどうしても皆同じような曲になってしまうところが、限界だったような気がします。ゆえに、コード進行を活かしながらモーダルな手法でアドリブの幅を広げるということに発展していったのだと思います。

10曲目「I Love You, Porgy」

ジョージ・ガーシュインの有名なオペラ「ポギーとペス」からの曲。ピアニシモから始まるビルのピアノは徐々にブロックコードを使い力強くメロディーを奏でます。ラファロもところどころアルコ(弓弾き)を使いアクセントをつけます。ビルのアドリブも静かな中に情熱を湛えた演奏です。

【サービス】
ここまで読んでくれた方に大サービス。モニカ・セタルンドというスウェーデンを代表する女性歌手とのコラボ映像。モニカ・セタルンドという人。日本で言えば美空ひばりクラスの大歌手です。歌も上手いですがなかなか美しい人ですね。モニカとのコラボアルバムはこの映像より以前にベースが前述の「チャック・イスラエル」での名盤があります。レコードジャケットの写真より動画のほうが数段綺麗です。

この映像の時はベースが3代目の「エディ・ゴメス」になっているので、それより後のライブということになりますね。こんな時にこんな所でやっていたなんて知りませんでした。曲は私の大好きな曲ミシェル・ルグランの名作「Once Upon A Summertime」です。モニカとのコラボアルバムでも演奏しています。ルグランの感性とビルの感性は相性が良いみたいで、ビルもルグランの曲はよく演奏しています。ミシェル・ルグランの曲というのはヨーロッパ調の陰影のあるメロディーに若干のラテンテイスト、それプラスモダンジャズの洗練されたハーモニーで味付けがされていて、本当に素敵な曲が多いです。ルグラン自身ジャズピアニストとしてもなかなかの人です。エヴァンスの生涯の音楽活動中、彼のピアノをバックに歌えた歌手は数えるほど。モニカも幸運な歌手だったといえますね。埋め込み禁止になっているので、YouTubeにとんで聴いてください。

Monica with Bill Evans Trio “Once upon a Summertime”
余談ですが、同じ曲が違う歌手でいくつか出ていたのでバーバラ・ストライザンドのを聴いてみましたが、ビルのピアノとモニカの歌を聴いたあとでは、陳腐でちょっと聴けなかったです。(バーバラのファンの方ご容赦)

【もう1曲サービス】
上記で紹介したビルのアルバム「Waltz for Debby」にも入っているレナード・バーンスタインの名曲。
こちらはベースが「チャック・イスラエル」なので最初にビルとモニカのコラボアルバムを作った時あたりの演奏だと思われます。語り手は晩年のモニカ。2005年にお亡くなりになられましたが、日本の新聞にも訃報が出ました。

Monica with Bill Evans Trio “Some other time”

 


ビル・エヴァンスとベーシストとの音楽的な関係

ここでちょっとビルとベーシストの関係について語らねばならないのですが、ビルはとりわけベースに音楽的な対話を求めた人です。それまでのベーシストは単にリズムを刻み音楽の土台を作るだけでした。もちろん、ベースのソロというのは必ず数コーラスは出てきます。ただそれは、なんとなくおまけという感じが否めませんでした。ところがビルはベーシストに他の楽器と対等の音楽的なコラボレーションを求めたのです。そんな、ビルの音楽的コンセプトに答えてくれたのがスコット・ラファロという天才ベーシストでした。

ラファロには卓抜したテクニックと感性がありました。しかし、残念なことにラファロは交通事故でわずか25歳という若さで逝ってしまい、その時のビルの落胆はひどく、しばらくはピアノすら弾けなかったといいます。但し、この時期長いこと埋もれていた素晴らしいソロピアノの演奏が録音がされていて、最近になって発掘されて何枚かのCDになって甦りました。ビルのソロピアノについては、ビルの音楽世界のなかでは特に重要な要素が沢山あるので、別な機会に考察することにします。

そもそもベースとピアノは音域的にも音がぶつかる部分があります。ゆえにベースが他のホーン楽器のようなアドリブをしたりするのは難しかったのです(もちろん技術的にも至難の技ですが)。これを解消するために、ビルは左手の根音をできるだけ省略し、ベーシストと演奏する時は、テンションを含んだ中音域以上の和音を弾くようになりました。ゆえにベーシストは、より創造的で自由なアドリブができるようになったのです。と言っても、それを表現できるだけのテクニックと音楽的感性をもちあわせたベーシストでなければならないのは言うまでもありません。

ビル・エヴァンスの後進のピアニスト達に与えた影響

ビルのこのコードのヴォイシングは後のピアニスト達に多大な影響を与えることにもなります。またビルはリハーモナイズ(原曲のコード進行やコードを変えること=ある種の編曲と言えます)の技も他を抜きん出ていました。ビルは他の前衛ではないジャズ演奏家と同様に、歌物と言われるガーシュインやコール・ポーター、リチャード・ロジャーズなどのスタンダードな歌曲をたくさん演奏していますが、どれも原曲の良さをよりいっそう引き出すようにリハーモナイズしています。これを演奏するビルのピアノの素晴らしさについては、イギリスの歴史家で批評家である「ウィリアム・メラーズ」という人の書いた文章が良く表しているので、そのまま引用させていただきます。

★ ・・・身が縮まるほど感覚に訴えてくる中音域のコード、あたたかい間のとりかた、包み込まれるような肌触り、にもかかわらず、この内省的な静けさの中で、そして上で、そのメロディー・ラインは、最高音域で浮遊し舞い上がり、テナーレンジで徐々に染み渡り、最低音部で時折残響する。(この辺がビルのペダルワークの身に付いた上手さだと思われます・・・ここは私の挿入です)鍵盤上でメロディー・ラインを”語らせる”エヴァンスの技は、極めて玄妙なものであり、そしてその鋭い感性は常に消極性ではなく発展性につながっている。踊り出したくなるような軽快な節は、流れてバネのある唄となる。尽きせぬ創意に満ちた交差リズムと対位旋律は、決してうとましくなく、常にしなやかで、その意味で歌心に溢れている。・・・早いナンバーを演奏する時でさえ、リズムからほとばしる熱情が歌を湧き起こす・・・★

 

翻訳文なのでちょっとわかりにくい部分もありますが、イメージとしてはつかめると思います。賞賛しすぎという感もありますが、ビルの音楽については同時代のジャズメン、他のジャンルの音楽家、批評家、誰もが賞賛こそすれ、けなす人はいません。ビルが51歳という若さで逝った後、すぐに著名なジャズ・ピアニスト達が、「スペシャル・トリビュート・トウ・ビル・エバンス」(12人の著名なジャズ・ピアニスト達が、生前のビルの愛奏曲をソロピアノで演奏したアルバムです。参加している全部のピアニストは覚えていませんが・・・チック・コリア、ジョン・ルイス、ジョージ・シアリング・・マッコイ・タイナーもいたかなぁ・・・etc.)という追悼アルバムを出したことからも、いかにビルの音楽が他の音楽家からも愛されていたのかがわかります。

最近では日本のジャズ・ピアニスト達がビルの没後20年を記念して「MEMORIES OF BILL EVANS a tribute to bill evans」 というアルバムを出しています。ここでは世界的なジャズピアニストの山下洋輔氏もビルの愛奏曲を2曲演奏しています。

ビル・エヴァンスについての一口コメント

ここまで、ビルのプロフィールと音楽と初期の重要なアルバムを一部紹介をしてきましたが、「ジャズ批評」という雑誌に載っていた、音大生や大学のジャズ研究会などに在籍中の学生に聞いた、ビル・エバンスに付いての一口コメント、面白いので載せておきます。
・・・以下は管理人のコメントです(笑)

★「高度なテクニックと繊細な感情、素晴らしいです」(女性)
★「どれを聞いても一定レベル以下がないのが驚異的」(男性)
★「やさしさがひしひしと伝わる」(男性)
★「後にジャズ界に与えた業績に対しては尊敬に値する」(女性)
★「ワルツを弾くエヴァンスが綺麗で繊細で素敵です」(女性)
★「ジャズ・ピアノをこんなに美しいものに完成させたなんて素敵です」(女性)
★「難しいことはわかりませんが、美しくて大好き」(女性)・・・そうそう、それで良いのです
★「愛を感じます」(男性)・・・ちょっと微妙(~o~)・・・
★「最高!」(女性?)・・・名前が「みさお」さんだった(~o~)・・・
★「ハーモニーの中に無駄な音が無い。彼の偉いところは、ピアニストとしてメロディーとハーモニーをなおざりにしなかったこと」(男性)・・・おっしゃるとおりです。以前ピアニストで作曲家の加古隆さんがある書籍で、
エバンスの弾く和音と言うのは無造作にパッと置いたものが完璧でどの音も必要かつ不可欠な選択を
瞬時にしている、みたいなことを書かれていました。・・・

★ 「女々しい、軟弱、パワー不足といって嫌う人は、聞き込み不足」(女性)
・・・これもおっしゃるとおりです・・・
★ 「フレーズは、無機・硬質、ハードボイルドの世界。男でなければわからん世界」(男性)
・・・女性にもわかると思うけど、偏見かなぁ~、でも一理あるかも。無機・硬質というのは、ビルの言う甘さに流れない修練されたロマンチシズムと言ってほしいな・・・(笑)
★「昔は軟弱と思っていたが、その根底にはしっかりした骨が通っている」(男性)
・・・そうそう、段々とビルのすごさがわかってくるものなのです。そう、ビルはしっかりと骨が通っていましたよ。 なにしろ学生時代はフットボールの選手だったんですから・・・
★「結構強力に弾いている。軟弱というのはどこから出るのだ。」(男性)
・・・結構ではなく、相当強力に弾いているときもあります。ビルはクラシックのピアニストのように、
ピアニシモからフォルティシモまでダイナミックレンジの広い演奏が出来た人です。軟弱云々とか言う人は、よく聴きこまないで、上っ面だけで表面的な評価をしてしまう浅慮な人です・・・

★ 「モントルー(アルバム名)やポートレイト・イン・ジャズのどこが女々しい!美しさばかり求めて、女々しいというが、実はリズムがメチャ良い。エヴァンスの真似したがる奴のリズムが悪いのは、美しさしか追求しないからだ」(男性)
・・・まあまあ、そんなにお怒りにならずとも、今はそんな評価をする人は誰もいませんよ(~o~)感傷的ではない美しさの追求をすれば良いのでは・・・

※他に音楽とは直接関係のないコメントも(笑)

★「インテリジェンスな顔が好き」(女性)
★ 「ハンサム」(女性)
★ 「顔がおやじに似ている」(男性)・・・ホントかいな?

いろいろ出ましたが今回はこの辺で。

ビル・エヴァンスの音楽の本質と遺産

ビルの音楽はその余りに洗練された耳当たりの良さから、さらりとBGM的に聴くこともできます。しかし、聴き手が注意深く歩み寄り深く入れば入るほど、素晴らしいものが返ってきます。汲みつくせぬ泉のような音楽なのです。

ビルは51年という短い生涯の中でリーダー作、サイドメンに加わったものを合わせると、200枚近くのアルバムを残してくれました。そのどれも水準を越えた演奏で駄作がありません。これは本当にビルに感謝という気持ちです。私が持っている物はまだ数十枚。これからも、ビルの音楽は徐々に手に入れるつもりです。コンプリートコレクションが私の目標です。但し、ただ集めるのでは単なるコレクターになってしまいます。じっくりと聴きながら、これは生涯の楽しみにしたいと思っています。

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