サキソフォン・コロッサス「ソニー・ロリンズ」

今日紹介するアルバム「サキソフォン・コロッサス」というソニー・ロリンズのアルバム。モダンジャズの名盤中の名盤という評論家の先生も多いですが、そうかい?と言うとへそ曲がりに聞こえますよね。確かになかなかのアルバムです。ただ、そもそも管理人がソニー・ロリンズというサックス奏者があまり好きではないからこういう言い方になってしまったのです。

ロリンズのどこが嫌いと言うと、あのマウスピースをしっかり口を閉めて咥えていないようなちょっと品のない音。要するに密度のないバリバリという荒い音なのです。これを豪放磊落なロリンズのテナーなどという人が多いのですが、どうも管理人はこの音が苦手です。

サックスというのは本当はかなりまろやかな音のする楽器なのです。デファイエ・サックス四重奏団というこの楽器の生まれたフランスのクラシック系のサックス四重奏団がありましたが、サックスってこんなに綺麗な音がするんだ!とビックリする人が多いと思います。まあ、ジャズの世界ではここまでこの楽器の正統的な吹き方をする人は少ないですが、ジャズ界でもテナーとアルトの違いはありますが、フィル・ウッズやアート・ペッパーなどはパワフルでもあり、なおかつ音色も綺麗です。

ただ、このアルバムはなかなか楽しめる1枚であることは確かです。ソニー・ロリンズという人は歌心あふれるフレーズが次から次へと出てくる人で、このアルバムはそういう意味ではとても楽しめる1枚です。マックス・ローチのドラムがまた素晴らしく、このアルバムの良さを倍加させています。トミー・フラナガンのピアノはいつ聴いても粋な感じのする趣味の良い演奏ですね。このアルバム、モノーラル録音なんですが、なんというかこういうストレートな録音というのが、案外素晴らしい臨場感があるような気がします。リラックスして楽しめる名盤です。

ナイロンズのクリスマスソングアルバム

クリスマスと言うと、去年も今頃クリスマスソングの話をアップしましたが、その時登場した「ナイロンズ」あの記事では実際の演奏というか歌唱は紹介できませんでしたが、今回はその中の次の記事に取り上げられている「The First Noel」をご紹介します。

あの記事の一部をまた引用させてもらいますが、素晴らしいハーモニーです。

もう一方のナイロンズはあまり知られていませんが、こちらも素晴らしいハーモニーを聞かせてくれるアカペラグループです。ただ、こちらはメンバーの入れ替わりが多くてその時により実力の差が出るグループですがこのクリスマスソングのアルバムの時はもっとも実力のあるメンバーが揃っていた時期で、それぞれがソロ歌手としても素晴らしい歌い手ばかりでした。どの曲も素晴らしいですが、圧巻のハーモニーが聴けるのが7曲目の「The First Noel」賛美歌にあるトラディショナルな曲ですが、最初はオーソドックスな原曲のハーモニーに忠実に完璧なコーラスから始まり、 これが次第にコーラスを繰り返す毎に少しずつハーモニーが変っていき、最後の方ではかなりリハーモナイズをして、不協和音をうまく使いスリリングなコーラスを聴かせてくれます。

ナイロンズについては別な記事に詳しく書いてありますので、興味のある方はそちらも参照して見てください。
ナイロンズ

また、このアルバムの中の「The Chiristmas Song」ジャズの大歌手メル・トーメ作の名曲ですが、こちらはこのナイロンズのバス担当のアーノルド・ロビンソンのちょっと渋い素晴らしい歌を聴くことができます。このナイロンズの「HARMONY THE CHRISTMAS SONGS」というアルバム。クリスマスソングのアルバムでは管理人一押しのアルバムです。

もう1曲このアルバムでぜひ聴いて欲しい曲があったので、自分で動画を作りました。めんどくさいので自分で動画を作るのは極力避けていたんですが、しょうがないですね。ゲービン・ホープという人のソロです。曲はクリスマスの定番といえる曲「O Holly Night」、原曲に忠実に淡々と歌っていますが、なかなか心に染み入る歌唱です。比較してはいけませんが、マライヤ・キャリーの歌などは、「もうわかった、あなたの声が良く出るのは皆さん知っています」と言いたくなるような絶唱型。人により好き嫌いはあると思いますが、私はこのナイロンズのバージョンが落ち着いていて大好きです。

The Nylons【O Holly Night】

【ポートレイト・イン・ジャズ】ビル・エヴァンス・トリオ

少しでもジャズを聴こうと思った人なら、知らない人はいないとも言える、ジャズのピアノトリオ演奏の定番中の定番。しかも傑作アルバムです。黒人のファンキーなピアノが好きと言う人にはあまり好かれていないかも知れませんが、そういう好みの問題は別にしてこのアルバムはピアノ・トリオというスタイルのひとつの新しい形を作ったともいえる、記念碑的な名盤です。

若くして夭折してしまった天才ベーシストスコット・ラファロとのインタープレイが特に有名ですが、そもそもベースと言う楽器はいわゆる縁の下の力持ち的な役割だったのを、ラファロはソロ楽器としてピアノと対等に演奏したということが、このアルバムを有名にしたひとつの要因ではありますが、そういうことも含めてビルのピアノも溌剌としており、変な言い方ですが、結構抽象的なアドリブを展開します。

そういう意味では、このアルバムと双璧をなすビル・エバンス・トリオ初期の傑作「ワルツ・フォー・デビー」のほうが、ずっと親しみやすい演奏と言えます。私事ですが、ロック&ポップスばかり聞いていた管理人の弟に学生の頃初めて当サイトでも紹介しているオスカー・ピーターソン「We Get Requests」を聴かせたら、すごくわかりやすくて喜んで聴いていましたが、次にこのビルの「Portrait in Jazz」を聴かせたら「難解で少しも良さがわからない」と言ったのが印象に残っています。確かに「枯葉」のちょっと変?ともいえる急速調の演奏や、ある意味このアルバムは特殊なアルバムかもしれません。

またこのアルバムの演奏が、この後に出てくるチック・コリアやキース・ジャレットなどのピアニストにも絶大な影響を与えたということもすごいことだと思います。視聴はディズニーの映画音楽などを多く手がけた作曲家のフランク・チャーチルの名作「Someday My Prince Will Come」邦題は「いつか王子様が」を聴いてみましょう。

【Someday My Prince Will Come】Bill Evans

いつも思うんですが、このビルの素晴らしい演奏を現代のクリアな音で録音されていたら、もっと素晴らしいものになると思うんですが、こればかりはどうしようもないですね。1959年12月の録音ですから、今から53年前の録音。でも、このちょっと時代を感じさせるアナログ的な音も味わい深いといえるのかもしれません。

蛇足ですが、このアルバムジャケットのビルの写真が、なんともまじめくさった感じで面白いですね。

ボッサ・カリオカ:小野リサ

ボサノバ、夏にはピッタリの音楽ですが、日本人でありながら、こんなにボサノバと一体化しちゃってる歌手はこの人をおいていないと思います。小野リサさん。初めてこの声を聞いたとき(誰が歌っているのか知らなかった時です)凄く良いなぁ!誰だろう?完全に本家ブラジルの人だろうと思いました。

後で調べてびっくり!正真正銘の日本人。といっても彼女はブラジル生まれで、ブラジル音楽が大好きでブラジルにライブハウスまで作ってしまったお父さんのもと、10歳までブラジルにいたのですから、ポルトガル語が完璧なのは当然だとしても、声がボサノバを歌うのにぴったりの声なんですね。アストラット・ジルベルトなんかよりボサノバの歌姫と言う感じです。リサさんの笑顔もとても素敵です。

彼女のアルバムではなんといっても最初に聴くなら「ボッサ・カリオカ」がおすすめ。管理人も持っていますが、ボサノバの有名曲もたくさん入っていて、なんかとても癒される感じのアルバムです。アントニオ・カルロス・ジョビンの息子さん&お孫さんも協演しています。

このアルバムのYouTubeの動画、著作権侵害とかで削除されてしまったようなので別な動画を貼り付けておきます。ボサノバの有名曲がたくさん収録されています。

「GETS/GILBERTO」・・・夏おすすめジャズ

先日このサイトにも度々登場していただいているジャズシンガーでフルーティストの若生りえさんのブログにコメントをしたら、そのレスで「夏おすすめジャズを・・・」なんてレスをいただいてしまったので、りえさんファンの管理人はすぐその気になって、夏おすすめアルバム紹介ということに相成りました(笑)

夏といえば、やっぱりこれですよね、「ボサノバ」。純然たるボサノバもいいんですが、ジャズとボサノバの融合・・・ここまで言えばジャズファンならすぐにピンとくるあれです、あれ・・・え~と名前が出てこない(わけはないです^^;)そうスタン・ゲッツとジョアン・ジルベルトのコラボアルバム「GETS/GILBERTO」です。

他ジャンルの人どうしのコラボアルバムということで、録音の時は結構緊張感があったというエピソードもありますが、その橋渡し役をしたのが当サイトにも度々名前の出てくるブラジルの国民的音楽家「アントニオ・カルロス・ジョビン」です。今にして思えば豪華なメンバーですね。このアルバムはアメリカでも大ヒット作になりました。でも、やはりこのアルバムを素晴らしいものにしているのはスタン・ゲッツのサックスだと思いますね。改めて聴いてみてもやはりゲッツのサックスは冴えてます。歌心溢れる、それでいてクールなスタン・ゲッツのサックス、良いですね。

今日は超有名曲「イパネマの娘」ではなく、管理人の大好きな曲、アントニオ・カルロス・ジョビンの名作「So Danco Samba」を聴いてください。

Stan Getz -Joao Gilberto 【So Danco Samba】