ビートルズの初期の傑作「This Boy」

前回に引き続き、今回もビートルズ。

どうしてかというと、前回の動画の「Till There Was You」の次の動画の曲がなんとビートルズを語る上でどうしても無視できない、初期の傑作曲「This Boy」だったからです。

この曲、オリジナルでは「抱きしめたい」というシングル盤のB面の曲でした。抱きしめたいも当時のロックやポップスのなかではとてもオリジナリティのある画期的な曲でしたが、このB面の「This Boy」はビートルズの驚くべき歌の上手さと編曲の才能がわかる曲なのです。

曲自体もすごく良い曲なんですが、なんといってもすごいのが、この3声のコーラスです。高音部をポール、中音部をジョージ、低音部をジョンが歌っていますが、こんな素晴らしいコーラスは当時のポップス界では皆無と言って良いでしょう。B面の曲ながらビートルズの初期の最高傑作だと思います。しかも、曲の途中でパートが入れ替わったり、とにかくすごいコーラスです。この曲が発表されたのが1963年。このコーラスパートを書いて歌った彼らはいつも言いますが、最年長のジョンでさえ、なんとまだ23歳の若さ。
改めて彼らのすごさを実感させられます。

後にこの曲を、色々な実力派のアカペラグループがカヴァーしていますが、コーラスで勝負をする彼らにも中々歌い応えのある曲だからだと思います。コーラスばかりに話がいってしまいましたが、展開部の、ジョンの歌うメロディーも、ジョンのちょっと甘く切ない声とピッタリとマッチング。本当に良い曲ですね。

とりあえず聴いてください。いつ聴いても素晴らしい!

【The Beatles- This Boy】

因みに、現在はこの曲は後にビートルズのオリジナルシングル盤に収録された曲ばかりを集めた「パスト・マスターズ Vol.1」というアルバムに収録されています。

管理人が昔持っていたこの曲のオリジナル・シングル盤。
どこへ行ってしまったのかなぁ・・・
子供の頃なけなしのお小遣いで買ったものなんですが、
捨てた記憶はないのでどこかにあるはずです。
今度探してみようかな(^_^)

ビートルズの歌うカヴァー曲

ブラームスからいきなりビートルズに飛んでしまうのが当サイトの管理人の支離滅裂なところです。でも、こういうサイトも在って良いと思います。

ビートルズといえば、そのひとつの核にオリジナリティということがあります。彼らはとにかく自分達の曲は自分達で作る・・・それがビートルズの真髄でもあります。その曲作りの才能がビートルズをあれだけ有名にした理由でもあるのですが、その創作の才能が他の人が作った曲をカヴァーした場合に、普通のカヴァー曲には見られないビートルズのオリジナル曲に変身させてしまうという、アレンジの天才ということもいえるかもしれません。

初期のビートルズは他人の作った曲を結構カヴァーしています。
ビートルズの2枚目のアルバムに「With The Beatles」というアルバムがあります。モノクロのジャケットで、サイドからのライティングで顔の陰影がついたとても洒落た印象的なデザインのレコードジャケットです。

このアルバムに収録されている全14曲のうち、カヴァー曲が6曲も入っています。そのどれもがオリジナルの片鱗もありません。すべてのオリジナル曲を聴いたことがあるわけではありませんが、完全にビートルズの音楽になっています。

特に7曲目のPlease Mr. Postmanなどビートルズのオリジナル曲と思っている人も結構いるのではないでしょうか。後に「カーペンターズ」もこの曲をカヴァーしていますが、ビートルズのオリジナル作品をカーペンターズがカヴァーしているのか?と錯覚を起こさせるくらい、ビートルズの編曲とサウンドは完全に自分達の曲にしています。

カヴァー曲というのは料理人にたとえれば、食材。どんな食材(曲)を選んで、これをいかに上手く料理するかは料理人の腕にかかってくるわけです。では、その素晴らしいアレンジとコーラス、サウンドを聴いてください。今聴いても全然古くささを感じませんね。

【Please Mr. Postman 】

こちらはミュージカルの中の曲。ペギー・リーの歌うこの曲を聴いてポールが歌いたくなったという曲。原曲もとても良い曲なんですが、ポールの歌とこの編曲は、原曲の良さをもっと引き出していると思います。テンポを少し早めにして甘くなり過ぎないようにしてラテンテイスト溢れる編曲。ポールの歌手としての力量も存分に発揮された1曲です。ジョージの弾くアコースティックギターも素晴らしい。

【Till There Was You】

ビートルズ「リヴォルヴァー」雑記

このアルバムを始めて手に入れたのはいつの頃だったのか・・・・・もちろんCDではなくレコードです。(年齢がバレてしまいますね)(笑)今も持っていますが大分年季が入っています。レコードをターンテーブルに乗せて、この最初のワクワク感は、今のCDでは味わえないような気がします。

すべての曲について書きたいですが、長くなるので何曲かスポットを当てて解説してみたいと思います。

・・・・いきなりジョージのone, two, three, four・・・とカウントが、いつものジョージのちょっと細い声ではなく、低く響く声。でも、すぐにジョージとわかりました。イントロが始まって、ぶちのめされました。これがジョージの曲か!とね。「Tax Man」というタイトルからして面白かったですが、出だしからこんな感じで衝撃的でした。この曲でのポールのベースプレイにも眼を見張るものがあります。

そもそもこのポールという人はすごく器用で何をやらせても上手い。
初期の頃の曲にオール・マイ・ラヴィングという曲があります。ミディアムファーストのなかなか良い曲ですが、ここでポールはジャズのウォーキングベースのようなベースラインに全然違うリズムパターンのメロディーを乗っけて歌っています。この当時はカラオケを作ってから歌を録音するなんてことしていなかった時代です。で、「セーの、ジャン!」と歌も楽器も一緒に始めちゃうのでライブと同じですよね。
楽器を弾きながら歌も歌わなくてはなりません。

ベースを弾きながら歌を歌うのでさえ難しいのにこういうことを平気でやってしまうポールのベースを、なかなか同じようにコピーなんてできるものじゃありません。「タメ」というか、独特のリズムセンスもあります。この曲(Tax Man)でリードギターを弾いているのがポールだと知ったのは大分後になってからですが、迫力あるなぁ・・・ジョージのリードギターよりもやはりポールの性格が出ているようなギター演奏です。

演奏のことばかり書きましたが、ジョージの書く曲も大分成熟してきているのがわかります、ジョンとポールもジョージの才能を認めてきたのではないでしょうか。ゆえにこの曲を冒頭に持ってきたような気がします。

2曲目のエリナー・リグビー、なんと哀愁を感じさせる曲なのでしょう。マイナーモードの曲なので当たり前といえば当たり前なのですが、はじめて聴いた時の弦楽だけの伴奏と独特の音場を醸し出す録音とあいまって、ジャンルを越えた不思議な音楽世界に引き込まれた感じがしました。
・・・Ah look at all the lonely people とポールの歌にゾゾゾゾ~とビオラとチェロがからみます。もう、ゾクゾクしました。

このアルバムでやはり忘れてはならないのが、「Here there and everywhere」です。この曲、ビーチボーイズの「God only knows」のAnswer Songという人もいますが、「God only knows」よりもこちらの方がより天上的な雰囲気です。弦楽を使わずギター、ベース、ドラムとシンプルな伴奏で弦楽の変わりを務めているような静かなバックコーラスが付きます。ポールのヴォーカルも抑えて抑えてささやくように歌っています。

【The Beatles – Here,There And Everywhere 】


全体を通してこのアルバムはポールの曲ばかりが印象に残ります。ビートルズというのは、「フォー・セール」までは完全にジョンの世界、ヘルプでポールの力が強くなり、このリヴォルバーでは完全にポールが音楽的には主導権を握ったという感じです。

もちろん、ジョンの作品も素晴らしいです。ただ、初期のジョンのポップでいてなおかつ、ひらめきにあふれた音楽は陰を潜めてきたような気がします。その代わりジョンはポップなものから遠ざかり、自分の精神世界のベクトルが徐々に宗教的、哲学的に変っていったように、音楽も変貌をとげます。

余りに長くなると読まれる方もしんどいと思うので、この辺にしますが、何よりも何よりも!感嘆するのはこんな音楽を作った彼らは、この時なんと!まだ20代の半ばだったということです。やはりこの方達は天才だったんだ!・・・と、改めて納得。

作品としてはこの後出た「Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band」のほうが評価が高いですが、管理人は個人的にこのリヴォルバーのほうが好きです。

ビートルズの歌の上手さ

少し前、ビートルズのA Hard Day`s Nightという映画をDVDで観る機会が
ありました。映画自体は当時の彼等の日常を追いかけた他愛もないものですが、
みんな若くてとても綺麗な青年達でしたね。彼等は西洋人にしては標準的な
身長で5フィート11インチ(約178センチくらい、リンゴ・スターをのぞく)
だけど、皆ハンサムですごく脚が長くてかっこいい。彼等の当時のアイドルぶりは
すごいものがありましたが、それもうなずけるというものです。

この映画を観て、映像の面白さもありましたが、やはり何と言っても音楽の
素晴らしいこと!同名のアルバムに収録されている曲が全曲演奏されますが、
どれもこれも傑作ぞろい。最年長のジョンでさえまだ当時24歳。
この年齢でこれだけのものを作っていたなんて、改めて驚きです。
全曲解説したいくらいですが、とりあえず大好きな1曲。

「If I Fell」この曲はビートルズのバラードのなかでもベスト10に入る曲でしょう。
いきなりジョンのボーカルで始まるヴァースと思える、導入部があって
このメロディーが転調をくりかえして複雑で美しい。これが終わるとジョンとポールの
二重唱になりますが、このハーモニーがこれまた美しい。素人にはコピー不能
と言った評論家もいたほどです。

私は主旋律ではない部分をかなりコピーしましたが、本当によくできています。
しかも当時はオーバーダビングなんなくていきなり全員で演奏するのです。
スタジオ録音でもライブと同じです。
すごいですね。ある音楽評論家が言っていましたが、これだけの複雑なハーモニー
を作って歌ったのは1964年時点のポップシーンではすごいことなのだそうです。

私もそう思います。よく、ビートルズは歌や演奏が下手だと言う人が時々いますが、
そういう人は音楽をよく知らない人です。最近改めてビートルズを聴いてみると
彼らの歌の上手さ、音楽性の高さ、やはり只者ではありませんでした。
しかもすべてオリジナル!
管理人も若い頃少しだけミュージックスクールに通ったことがあるので
彼らのすごさは良くわかります。
皆さんもビートルズはぜひ聞いてみてください。お勧めです。