ボッサ・カリオカ:小野リサ

ボサノバ、夏にはピッタリの音楽ですが、日本人でありながら、こんなにボサノバと一体化しちゃってる歌手はこの人をおいていないと思います。小野リサさん。初めてこの声を聞いたとき(誰が歌っているのか知らなかった時です)凄く良いなぁ!誰だろう?完全に本家ブラジルの人だろうと思いました。

後で調べてびっくり!正真正銘の日本人。といっても彼女はブラジル生まれで、ブラジル音楽が大好きでブラジルにライブハウスまで作ってしまったお父さんのもと、10歳までブラジルにいたのですから、ポルトガル語が完璧なのは当然だとしても、声がボサノバを歌うのにぴったりの声なんですね。アストラット・ジルベルトなんかよりボサノバの歌姫と言う感じです。リサさんの笑顔もとても素敵です。

彼女のアルバムではなんといっても最初に聴くなら「ボッサ・カリオカ」がおすすめ。管理人も持っていますが、ボサノバの有名曲もたくさん入っていて、なんかとても癒される感じのアルバムです。アントニオ・カルロス・ジョビンの息子さん&お孫さんも協演しています。

このアルバムのYouTubeの動画、著作権侵害とかで削除されてしまったようなので別な動画を貼り付けておきます。ボサノバの有名曲がたくさん収録されています。

「GETS/GILBERTO」・・・夏おすすめジャズ

先日このサイトにも度々登場していただいているジャズシンガーでフルーティストの若生りえさんのブログにコメントをしたら、そのレスで「夏おすすめジャズを・・・」なんてレスをいただいてしまったので、りえさんファンの管理人はすぐその気になって、夏おすすめアルバム紹介ということに相成りました(笑)

夏といえば、やっぱりこれですよね、「ボサノバ」。純然たるボサノバもいいんですが、ジャズとボサノバの融合・・・ここまで言えばジャズファンならすぐにピンとくるあれです、あれ・・・え~と名前が出てこない(わけはないです^^;)そうスタン・ゲッツとジョアン・ジルベルトのコラボアルバム「GETS/GILBERTO」です。

他ジャンルの人どうしのコラボアルバムということで、録音の時は結構緊張感があったというエピソードもありますが、その橋渡し役をしたのが当サイトにも度々名前の出てくるブラジルの国民的音楽家「アントニオ・カルロス・ジョビン」です。今にして思えば豪華なメンバーですね。このアルバムはアメリカでも大ヒット作になりました。でも、やはりこのアルバムを素晴らしいものにしているのはスタン・ゲッツのサックスだと思いますね。改めて聴いてみてもやはりゲッツのサックスは冴えてます。歌心溢れる、それでいてクールなスタン・ゲッツのサックス、良いですね。

今日は超有名曲「イパネマの娘」ではなく、管理人の大好きな曲、アントニオ・カルロス・ジョビンの名作「So Danco Samba」を聴いてください。

Stan Getz -Joao Gilberto 【So Danco Samba】

オスカー・ピーターソン「We Get Requests」

ここのところアルバム紹介が続きますが、アルバム紹介は当サイトのメインテーマでもあります。少しでも良い音楽を聴いて自分の好きなアーティストを見つけるのは、やはり自分でアルバムを購入してじっくり聴くのが一番です。ただ、最近はiTunesなどでダウンロードして購入する人が多いようですが、やはり手元にCDなりアナログレコードなりあったほうが、ジャケットの写真なども楽しめるし良いような気もしますが、確かに持ち物が増えて邪魔になるという弊害はあるかもしれませんね。

ピーターソンの話しから、横道にそれましたが、この「オスカー・ピーターソン」というピアニストほど好き嫌いの分かれるジャズ・ピアニストは少ないのではないかと思います。
かなり昔ですが、お二人のジャズ評論家、ピーターソン絶賛派の「いソノてルオ」氏とアンチピーターソンの「鍵谷幸信」氏が論争を繰り広げたことがありましたが、そんなに目くじらを立てることでもないような気がします。

そもそも音楽とかアートの世界は、好き嫌いがあって当たりまえの世界。それをこっちが上とか下とか、そういう論争はナンセンスだと思いますね。特にジャズリスナーというのは自分が良いと思うだけならよしとしても、自分があまり好きではない演奏家を聴いている人をけなしたり、バカにしたりするというなんとも次元の低い人達も結構多いようです。

余計な話はこれくらいにして、今回紹介するアルバム「We Get Requests」
ジャズ・ピアノトリオの定番中の定番ともいえるアルバムです。もちろん素晴らしい演奏です。ピーターソンの世界というのは独自の世界があって、あの超絶テクニックとアドリブの歌い回しが少し聴きなれると、初めて聴く曲でも「ピーターソン」とすぐにわかるようになります。この辺が「嫌い」という人も多いのではないでしょうか。

でも、これだけ安心して聴けるピアニストって意外と少ないし、ピーターソンの音楽世界にどっぷり浸かってみるのも良いと思います。ピーターソントリオを語る時に忘れてはならないのがベーシストのレイ・ブラウンです。この人派手なベースソロはあまり弾きませんが、正確なリズムでドライブ感のあるベースを弾く素晴らしい職人芸のようなベーシストです。ピーターソンもこのベースがベースにあるので、自由奔放に鍵盤上で指を躍らせることができたのだと思います。

とりあえず1曲聴いてみましょう。

My One And Only Love

ピーターソンはこのバラードの名曲を軽いタッチで、どちらかといえばサラリと弾いています。なかなかの名演だと思います。余談ですがピーターソンはベーゼンドルファーのピアノを愛用していました。プロの演奏家ではスタインウェイのピアノを使う人がほとんどですが、ベーゼンドルファーというピアノは、スタインウェイのピアノよりも暖かみのある音がすると言う人も多いですね。

音楽の不思議

音楽というのは本当に面白いもので、西洋音楽を例にとっても、たったの12の音を使ってこれほど膨大な数の曲がクラシックの長大なものから簡単な楽曲まで、よくもまあ違う曲としてできるものだと感心します。ただ、メロディーの要素だけではなく、それにリズム、和声と複雑に絡み合ってくるので、様々なタイプの曲ができるのだと思います。

アントニオ・カルロス・ジョビン(注)というブラジルの国民的作曲家&演奏家の曲に「ワン・ノート・サンバ」という有名なボサノバの曲がありますが、この曲は題名どおり最初の16小節は一つの音が同じリズムパターンでずっと続きます。楽譜が無いので、原曲の調性は今ちょっと思い出せませんが、たとえばわかりやすくハ長調でいうと最初の音が「ソ」でソッ、ソッ、ソ、ソッ、ソッ、ソ、~~~~~~と続いて次にやっと4度上の「ド」に上がってまた「ソ」に戻ります。だから、厳密に言うとこの16小節は二つの音が出てくるので、One Noteではなく、Two Noteなんですが、転調したと考えると一つの音だけといえます。その後は一変してアドリブのフレーズをそのままメロディーにしたようなむずかしい旋律が出てきます。

で、何が言いたいのかというと、こんな単音が続く曲なのに、とても印象的なメロディーに聞こえるのは音楽の魔術ということなんでしょうね。


こちらの動画はローリンド・アルメイダという名ギタリストとMJQ(モダン・ジャズ・クァルテット)の競演。素晴らしい演奏です。

(注)アントニオ・カルロス・ジョビン
ブラジルの作曲家、編曲家、ピアノ奏者で、ジョアン・ジルベルトという歌手兼ギター奏者と共にボサ・ノバという音楽の生みの親とされています。ボサノバとは英語でいうと「new mode」という意味でブラジルに昔からあったサンバにモダンジャズの複雑な和声を組み合わせたとても洒落た音楽です。
ジョビンは数々の名曲を世に送り出していますが、もっともポピュラーな曲は皆さんも知っていると思いますが「イパネマの娘」です。

ボサノバって実に耳あたりが良くて、BGMでもよく流されたりしますが、水面下ではなかなかにすごいことをしています。あれが独特の雰囲気を醸し出すんですね。普通の伴奏ギターのコードなども結構複雑です。多くのジャズメンがよくボサノバの曲を演奏するのはそういう面白さもあるからだと思います。