「GETS/GILBERTO」・・・夏おすすめジャズ

先日このサイトにも度々登場していただいているジャズシンガーでフルーティストの若生りえさんのブログにコメントをしたら、そのレスで「夏おすすめジャズを・・・」なんてレスをいただいてしまったので、りえさんファンの管理人はすぐその気になって、夏おすすめアルバム紹介ということに相成りました(笑)

夏といえば、やっぱりこれですよね、「ボサノバ」。純然たるボサノバもいいんですが、ジャズとボサノバの融合・・・ここまで言えばジャズファンならすぐにピンとくるあれです、あれ・・・え~と名前が出てこない(わけはないです^^;)そうスタン・ゲッツとジョアン・ジルベルトのコラボアルバム「GETS/GILBERTO」です。

他ジャンルの人どうしのコラボアルバムということで、録音の時は結構緊張感があったというエピソードもありますが、その橋渡し役をしたのが当サイトにも度々名前の出てくるブラジルの国民的音楽家「アントニオ・カルロス・ジョビン」です。今にして思えば豪華なメンバーですね。このアルバムはアメリカでも大ヒット作になりました。でも、やはりこのアルバムを素晴らしいものにしているのはスタン・ゲッツのサックスだと思いますね。改めて聴いてみてもやはりゲッツのサックスは冴えてます。歌心溢れる、それでいてクールなスタン・ゲッツのサックス、良いですね。

今日は超有名曲「イパネマの娘」ではなく、管理人の大好きな曲、アントニオ・カルロス・ジョビンの名作「So Danco Samba」を聴いてください。

Stan Getz -Joao Gilberto 【So Danco Samba】

音楽の不思議

音楽というのは本当に面白いもので、西洋音楽を例にとっても、たったの12の音を使ってこれほど膨大な数の曲がクラシックの長大なものから簡単な楽曲まで、よくもまあ違う曲としてできるものだと感心します。ただ、メロディーの要素だけではなく、それにリズム、和声と複雑に絡み合ってくるので、様々なタイプの曲ができるのだと思います。

アントニオ・カルロス・ジョビン(注)というブラジルの国民的作曲家&演奏家の曲に「ワン・ノート・サンバ」という有名なボサノバの曲がありますが、この曲は題名どおり最初の16小節は一つの音が同じリズムパターンでずっと続きます。楽譜が無いので、原曲の調性は今ちょっと思い出せませんが、たとえばわかりやすくハ長調でいうと最初の音が「ソ」でソッ、ソッ、ソ、ソッ、ソッ、ソ、~~~~~~と続いて次にやっと4度上の「ド」に上がってまた「ソ」に戻ります。だから、厳密に言うとこの16小節は二つの音が出てくるので、One Noteではなく、Two Noteなんですが、転調したと考えると一つの音だけといえます。その後は一変してアドリブのフレーズをそのままメロディーにしたようなむずかしい旋律が出てきます。

で、何が言いたいのかというと、こんな単音が続く曲なのに、とても印象的なメロディーに聞こえるのは音楽の魔術ということなんでしょうね。


こちらの動画はローリンド・アルメイダという名ギタリストとMJQ(モダン・ジャズ・クァルテット)の競演。素晴らしい演奏です。

(注)アントニオ・カルロス・ジョビン
ブラジルの作曲家、編曲家、ピアノ奏者で、ジョアン・ジルベルトという歌手兼ギター奏者と共にボサ・ノバという音楽の生みの親とされています。ボサノバとは英語でいうと「new mode」という意味でブラジルに昔からあったサンバにモダンジャズの複雑な和声を組み合わせたとても洒落た音楽です。
ジョビンは数々の名曲を世に送り出していますが、もっともポピュラーな曲は皆さんも知っていると思いますが「イパネマの娘」です。

ボサノバって実に耳あたりが良くて、BGMでもよく流されたりしますが、水面下ではなかなかにすごいことをしています。あれが独特の雰囲気を醸し出すんですね。普通の伴奏ギターのコードなども結構複雑です。多くのジャズメンがよくボサノバの曲を演奏するのはそういう面白さもあるからだと思います。