ナット・キング・コール:Nat King Cole

今日は管理人の大好きな歌手のひとり、ナット・キング・コール(Nat King Cole)について書いてみたいと思います。ナット・キング・コールと言えば、あの独特のハスキーボイスが魅力のひとつでもありますが、何と言ってもこの人は天性の素晴らしい音感とリズム感を持っていた人。

ナット・キング・コールというと、ソロ歌手としてポピュラー音楽の世界でも有名になり、広く人気が出てからの歌が有名ですが、ベースとなる音楽はジャズです。ジャズ・ピアニストとしてピアノ、ギター、ベースというドラムレスのシンプルなピアノ・トリオを率いて、自らピアノを弾き歌も歌っていました。ナット・キング・コールの音楽はこの時代のものがやはり一番素晴らしいと思います。ピアノもスイング時代後期のピアノですからスタイルとしてはオーソドックスなスタイルですが、そのノリの良さ、歌心溢れるフレーズなど、素晴らしいの一語です。最初、彼は歌は歌っていませんでした。あるきっかけから歌を歌うようになりましたが、その個性的で魅力的な声と歌の上手さにたちまちジャズ歌手としても頭角を現します。

後年ポピュラー系に進展していってからも歌の上手さはもちろんですが、ジャズ的なスピリットは随所に感じられます。バラードなどもただ美しい表現だけではなく、どこか背筋を伸ばしたような凛としたものが感じられます。ひとつにはこの人の英語の発音にもあるんですが、この人の英語とても聴きやすい。巻き舌英語ではなくとても聞き取りやすいしっかりとした発音をします。

余談ですが彼がテレビに出演した時の映像を見たことがありますが、かなりの長身で脚も長くてスタイル抜群です。ピアノの鍵盤に手を拡げている写真を見たことがありますが、手もかなり大きかったようです。

今日はそんなナット・キング・コールのピアノトリオ時代の名演奏と、娘のナタリー・コールが父親の声にかぶせて録音した「Unforgettable」を貼り付けておきます。音楽は100の言葉より聴くのが一番!

【Nat King Cole Trio:Just You, Just Me】

スイング感抜群の素晴らしい歌と演奏ですね。

【Unforgettable Nat King Cole Natalie Cole】

この動画はナタリーのライブですが、ナタリー・コールはこの録音したもので音楽のアカデミー賞といえるグラミー賞を得ています。

タイトルに月(Moon)が入っている曲

今日は中秋の名月、しかも今年はちょうど満月だそうです。この次この日に満月になるのは7年後までないということ。というわけではありませんが、今日はちょっとくだけた話題で、曲のタイトルに「月」が入っている楽曲を思いつくままに挙げてみました。管理人の知らない曲は当然入っていません。月にちなんだ曲、かなりありそうですね。

まずクラシック系から。

【ピアノソナタ第14番嬰ハ短調 「月光」「op.27-2」】

ベートーベン作の有名なピアノソナタですが、このタイトルを付けた人も第一楽章の持つイメージのみで付けたようで。名前はもちろん通称名でベートーベンの死後付けられたものです。素晴らしい曲ですね。ウィルヘルム・バックハウスのピアノ演奏でどうぞ。


【月の光】

ドビュッシーのベルガマスク組曲というピアノ曲集の中の超有名曲なので、知っている人も多いと思います。抒情的で美しい曲ですね。


【荒れた寺にかかる月】

これもドビュッシーの「映像」という作品の第2集に入っている曲。私は、音で映像をイメージさせるというのはあまり好きではないんですが、純粋に曲だけ聴けば良い曲です。しかし、話が脱線しますが、ドビュッシーの作品の中の和音、モダンジャズのピアニストの弾く和音とかなり似ている音がしますが、ジャズピアニストが真似た・・・というより、ジャズも段々と新しい試みがされて、テンションノートなどを多用し始めるとこの時代のクラシック音楽の和声と必然的に似たような響きになってしまうんですね。もちろんモダンジャズはここから更に進展します。ミケランジェリの素晴らしいライブ演奏があります。


【月の光に憑かれたピエロ】

こちらは無調音楽を書いた、アーノルト・シェーンベルクの有名曲。小編成の室内楽を伴奏にした連作歌曲なんですが、全曲聴いてみたのは一度だけです。う~ん・・・・これって、素晴らしい!美しい!心が癒される!と感じる人っているんですかね。まあ、なんでも新しい試みというのはどの世界でも必要だと思いますが、音楽としては本当に楽しめる・・・というものではないような気がします。聴いているとちょっと嫌な感じがしてきます。アナザーワールドの下層世界を連想してしまいます。管理人はこの曲はパスという感じです。

今日のテーマからははずれますが、シェーンベルクで唯一美しい曲だなと思うのは「浄められた夜」「浄夜」ともいいますが、こちらは音楽としてなかなか美しいと思います。

後、シューベルトやシューマンの歌曲に月の付く曲が何曲かあったような気がしますが、今思いだせないのでパス。


【荒城の月】

この曲を知らない人は少ないと思いますが、土井晩翠作詞・瀧廉太郎という日本でもアカデミックな詩人と作曲家による歌曲。日本的な情緒と西洋音楽の技法が独特の雰囲気を作っている曲ですね。この曲も色々なスタイルで演奏されたり、歌われたりしていますが、今日は正統派スタイルでどうぞ。この曲の他にも「月の砂漠」なんて曲もありますが、省略。


次にジャズやロック&ポップス系の曲です。

【Moonlight Serenade】

こちらはスイング時代のジャズの名曲。スイングジャズの時代の有名バンド「グレン・ミラー楽団」を率いていたグレン・ミラーの作った名曲です。グレン・ミラー楽団のバンドテーマにもなっていました。芸術は難解なものがレベルが高いなんて思っている人も多いかもしれませんが、前述のシェーンベルクのピエロと比べたら、なんと心地良い音楽でしょう。こういう多くの人が楽しめる、癒される音楽を作った人の方が、人間の生き方としては利他的な行為をしているとも言えるのです。


【Blue Moon】

この曲はいろいろな人が歌い演奏していますが、作者は数々の名作を生み出しているアメリカを代表する作詞家と作曲家のロレンツ・ハートとリチャード・ロジャースの名コンビが作った曲です。

歌っている歌手だけでもジャズ系の歌手からポップス系の歌手まですごい数です。ビリー・ホリデイ、ナット・キング・コール、フランク・シナトラ、ジュリー・ロンドン、エルビス・プレスリー等々、キリが無いですが、管理人の愛聴盤にも入っているジュリー・ロンドンの歌でどうぞ。


【Moonlight In Vermont】

1943年頃の作ですが、ヴァーモント州の美しい景色の情景描写から最後は男女の愛の契りで終わっている、ちょっと珍しいラヴソング?ですが、どちらかというとヴォーカルよりも多くのジャズメンにインストルメンタルで演奏される曲です。ナット・キング・コール・トリオの演奏で、これはコールの素晴らしいピアノのみ。歌は入っていません。


【It’s Only A Paper Moon】

1933年に、Harold Arlenが作曲し、作詞Billy Rose とE. Y. Harburgという人の共作で作られた曲です。ペーパームーンとはまさに紙のお月様ですが、当時のアメリカでは縁起物のようで、この上に座ると願いがかなったりするとして人気があったものです。この曲もベニー・グッドマンやナット・キング・コール、エラ・フィッツジェラルドや、日本では美空ひばりさんも歌っています。数多くの演奏家や歌手にカヴァーされている、ジャズの定番ともいえる曲ですね。なぜか気持ちがハッピーになる曲です。管理人もカラオケでよく歌います(もちろん下手です)(^0^)

今日はやはりこの曲ならこの人かなぁ~というナット・キング・コールの歌でどうぞ。さすが、自由自在という感じ、上手いですね!


【ミスタームーンライト】

ビートルズが「Beatles For Sale」というアルバムの中に収録した曲。オリジナルではなく、ロイ・リー・ジョンソンという人の作った曲をカヴァーしたものですが、まるでオリジナルのように見事に変身させています。もちろんこれを歌ったオリジナルのR&B系の歌手のものより大ヒット。ジョンのオリジナルのように感じてしまいます。本当にビートルズというのは、さほど有名ではない曲をまるで自分たちのオリジナルのようにしてしまうカヴァーの名人でもありました。まあ、前回の記事で取り上げたジョージ・マーティンの功績もあるとは思いますが。

動画はそのビートルズの歌と演奏です。


【ムーン・リバー】

オードリー・ヘップバーン主演の映画「ティファニーで朝食を」の主題歌となった曲として有名ですが、曲はその少し前に作られています。作詞ジョニー・マーサー・作曲ヘンリー・マンシーニ。映画ではヘップバーンが囁くように歌っていたのが印象的です。この曲も色々な人が歌っていますが、今日はそのヘップバーンの歌と映像でどうぞ。なかなか味のある歌唱です。この頃のオードリー、やっぱり美しい!


【Fly Me To The Moon】

超有名曲を忘れるところでした。

月に因む曲でこの曲を忘れるとは・・・

熱烈なラヴソングなんだけど、なぜ、英語の歌詞というのは詩的に感じるのかなぁ・・・日本語でこんなこと言ったらちょっと気恥ずかしいと思うんですね。それにしてもこの曲色々な人がカヴァーしています。いわゆるスタンダードと言われる名曲です。バート・ハワード(Bart Howard)という人が詞も曲も書いたものですが、最初原曲は3拍子でした。フランク・シナトラが歌って大ヒットしたこのバージョンから4拍子の編曲が多くなりました。

こういうクラシック以外の音楽というのは、同じ曲を歌いあるいは弾いても、まるで違うものになります。そこがまたクラシック音楽とは違う面白さでもあるのですね。


【Polka Dots And Moonbeams】

Jimmy Van Heusen(作曲)とJohnny Burke(作詞)の名コンビによる名曲。ポルカ・ドッツいわゆる水玉模様ですね。水玉模様の服を着た少女と月の光の下で出会う・・・というような歌詞の曲ですが、とてもロマンティックな甘い旋律の曲です。この曲は歌物よりもインストゥルメンタルの演奏のほうが多いような気がします。ビル・エヴァンスとウェス・モンゴメリーの名演、どちらにしようかと思いましたが、ビルのピアノにしました。ビルのピアノは甘さに流されない清々しさを感じさせるピアノです。

もちろん私もこのCDは所有していますが、録音が悪いのが難点。チャック・イスラエルスのベースもなかなか良いです。

スターダスト「Stardust」

前記事でジャズの名曲は無い、などと書きましたが、ジャズミュージシャンやジャズシンガーといわれる人達が好んで演奏したり歌ったりするスタンダードな名曲があります。そこでジャズの名曲紹介というカテゴリーも作ってみました。

最初に取り上げるのは、しばしば次のようなフレーズで紹介される名曲です。「ホーギー・カーマイケル不朽の名作・・・」こう言えばジャズファンならすぐにピンと来るあの曲です。そう、「スターダスト」ですね。どちらかといえば、インストルメンタルより、多くの歌手に歌われている曲です。最初歌詞は無く、後にミッチェル・パリッシュ(注)という人が歌詞を付けました。

ホーギー・カーマイケル(Hoagy Carmichael, 1899年11月22日-1981年12月27日)

作者のホーギー・カーマイケルですが、ピアノと歌は6歳の頃から習っていたので音楽的な素養は充分でしたが、インディアナ大学のロースクールで法律を学び、法律家への道を進もうと思っていたこともあるようです。弁護士事務所で働いていたこともあります。音楽の道に専心するきっかけとなったのは、自分の作曲した曲がジャズにアレンジされてラジオから流れたのを聴き、音楽の道へ進む決心をしました。歌もピアノも上手かったので自演の歌もありますが、俳優としてTVの大ヒット西部劇「ララミー牧場」にもカーマイケル爺さんという味のある脇役で出演していたこともある、ちょっと異色の作曲家です。

他の代表作にレイ・チャールズの歌で大ヒットした「ジョージア・オン・マイ・マインド」などがあります。

今日は「スターダスト」といえば、この人というくらいすぐに思い浮かぶ歌手「ナット・キング・コール」の名唱を聴いてください。

【Stardust-Nat King Cole】

実はこの「スターダスト」、管理人のカラオケの18番レパートリーです(笑)
もちろん下手くそです・・・ハハハ

このスターダスト、管理人の編曲&ピアノソロ演奏でYouTubeにアップしてしまいました。アレンジはまあまあ、演奏は下手ですが、良かったら聴いてください(^-^)/

スターダスト【Stardust】-Artenrich

(注)ミッチェル・パリッシュという作詞家については、小柳有美さんという歌手のブログに詳しい略歴があるので、興味のある方はそちらもご覧ください。

ジャズヴォーカル

ジャズってインストルメンタルいわゆる歌の入らない楽器だけの演奏はこれはジャズ、って割とはっきりとわかりやすいですが、わからないのがヴォーカル。

ジャズヴォーカルの定義は?と聞かれても明確に答えられる人は少ないのではないかと思います。まあ、私なりのジャズヴォーカルとは?いわゆるジャズシンガーといわれる人が歌えばジャズ・・・(笑)これでは答えにならないですよね。

フランク・シナトラやナット・キング・コールはメジャーになってアメリカを代表する大歌手になりましたが、彼らをジャズシンガーと思っている人は最近の人では少ないと思いますが、「ジャズ」を歌った名盤もかなりあります。もっともナット・キング・コールは最初自分でピアノを弾き、ピアノトリオを率いて本格的なジャズをやっていたので、ジャズシンガーということもいえますが・・・・・

バック演奏がジャズの演奏家であればジャズというのもひとつの目安ですね。もともとジャズのために書かれた曲というのはジャズ演奏家のオリジナル作品を除けば、ほとんど無いわけで、ジャズメンが好んで演奏するスタンダードナンバーがあるだけです。ガーシュインやコール・ポーター、リチャード・ロジャースなどアメリカのミュージカルの音楽を担当したアメリカを代表する作曲家の曲がほとんどです。

要するにジャズのスピリットである、即興性やオリジナリティのある歌はジャズボーカルと言えるのかもしれません。

美空ひばりさんもある意味ジャズシンガーかもしれません。彼女の本格的ジャズヴォーカルを最近コマーシャルのバックに流れているもの
聞きましたが、上手いです。脱帽!

美空ひばりさんとジャズ

美空ひばりさんの歌う【ジャズ】です。

美空ひばり It’s only a paper moon