独学の薦め

普通、初めて楽器をやりたいと思うと、たいていの人はどこかスクールか先生に付いて習おうと思うのが普通だと思います。特に大人から始めたいと思う人で、自分が弾きたい楽器に初めて触る人はそうだと思います。管理人も大人からpianoを弾きたいと思った時には先生について習いました。もちろん初めて楽器に触る人は基本的なことは先生について教わった方がよいかなと思います。あと子供時代に楽器を習う場合は特に先生につかないとダメですよね。

ただ、ここでちょっと反対のことを言いたいと思います、自分は先生に習ったから弾けるようになったのか・・・・確かにバイエルから始めましたが、習ったから弾けるようになったのか?否、この先生とはほとんど反発をして辞めました。当時ピアノを弾く前はギターをやっていて、ギターは中学生の頃からほとんど独学でしたが、ジャズがやりたくてジャズスクールに通っていました。しかし、ビル・エヴァンスのピアノを聴いてから、どうしてもピアノがやりたくてピアノを習ったというわけですが、ピアノでジャズは到底無理だと思い、基礎からということでバイエルから習い始めたというわけです。

ただ、このピアノの先生、まだ若い、と言っても私よりは10歳くらいは年上の女性の先生でしたが、クラシック以外は音楽じゃないと思っているような方で、ちょっと反発してチェルニーの30番を半分くらいで辞めてしまいました。その時自分で楽譜を見てクラシックの曲も結構弾けるようになりました。バイエルやチェルニーなどの教材と比べるととても楽しかった記憶があります。もちろんタッチやその他細部は本格的な演奏の仕方から比べるとレベルは低いと思いますが、自分の楽しみで弾くのなら、充分だと思いました。まして、見本としても今は海外の有名なピアニストの演奏がいくらでも手に入ります。一流の演奏家は皆さんそれなりに個性も強いですが、とても参考になりますよね。

ここで何が言いたいのか・・・・というと、独学の勧めです。今は色々な教則本も沢山出ています。ジャズだってコードさえ分からない人のための優しいものから本格的なアドリブのできる教則本も沢山出ています。もちろん楽譜を見て何処をどう弾いていいか分からないという人は、先生について学ぶのはいいと思いますが、多少義務教育の音楽で音楽の基礎がある人なら教則本を見て勉強すれば十分わかると思います。なぜ、独学の勧めかというと実際のテクニックや弾き方などは自分で克服しなければ弾けるようにならないからです。

独学の良い点は、自分の好きなものや好きな曲にすぐにチャレンジできるからです。先生に付いて習うと、自分が弾きたくない曲も弾かなければなりません。管理人は自分の好きなもの、好きな曲をやっています。ポップス系の曲などは編曲も自分でやっています。これは特にすごく楽しいです。他人とは違う演奏ができますからね。もちろんクラシックの曲は楽譜があるのでそのまま弾けばOKです。(もちろん、難しくて弾けない曲も山のようにありますが(笑))これはまた別問題です。大人から楽器をやる人は基礎を先生について学んだら自分で勉強することをおすすめします。楽しいですよ。

管理人が自分で編曲した曲載せておきます。この暑い時期にクリスマスソングも合わないですが、参考動画です。

Santa Claus Is Coming to Town

タイトルに月(Moon)が入っている曲

今日は中秋の名月、しかも今年はちょうど満月だそうです。この次この日に満月になるのは7年後までないということ。というわけではありませんが、今日はちょっとくだけた話題で、曲のタイトルに「月」が入っている楽曲を思いつくままに挙げてみました。管理人の知らない曲は当然入っていません。月にちなんだ曲、かなりありそうですね。

まずクラシック系から。

【ピアノソナタ第14番嬰ハ短調 「月光」「op.27-2」】

ベートーベン作の有名なピアノソナタですが、このタイトルを付けた人も第一楽章の持つイメージのみで付けたようで。名前はもちろん通称名でベートーベンの死後付けられたものです。素晴らしい曲ですね。ウィルヘルム・バックハウスのピアノ演奏でどうぞ。


【月の光】

ドビュッシーのベルガマスク組曲というピアノ曲集の中の超有名曲なので、知っている人も多いと思います。抒情的で美しい曲ですね。


【荒れた寺にかかる月】

これもドビュッシーの「映像」という作品の第2集に入っている曲。私は、音で映像をイメージさせるというのはあまり好きではないんですが、純粋に曲だけ聴けば良い曲です。しかし、話が脱線しますが、ドビュッシーの作品の中の和音、モダンジャズのピアニストの弾く和音とかなり似ている音がしますが、ジャズピアニストが真似た・・・というより、ジャズも段々と新しい試みがされて、テンションノートなどを多用し始めるとこの時代のクラシック音楽の和声と必然的に似たような響きになってしまうんですね。もちろんモダンジャズはここから更に進展します。ミケランジェリの素晴らしいライブ演奏があります。


【月の光に憑かれたピエロ】

こちらは無調音楽を書いた、アーノルト・シェーンベルクの有名曲。小編成の室内楽を伴奏にした連作歌曲なんですが、全曲聴いてみたのは一度だけです。う~ん・・・・これって、素晴らしい!美しい!心が癒される!と感じる人っているんですかね。まあ、なんでも新しい試みというのはどの世界でも必要だと思いますが、音楽としては本当に楽しめる・・・というものではないような気がします。聴いているとちょっと嫌な感じがしてきます。アナザーワールドの下層世界を連想してしまいます。管理人はこの曲はパスという感じです。

今日のテーマからははずれますが、シェーンベルクで唯一美しい曲だなと思うのは「浄められた夜」「浄夜」ともいいますが、こちらは音楽としてなかなか美しいと思います。

後、シューベルトやシューマンの歌曲に月の付く曲が何曲かあったような気がしますが、今思いだせないのでパス。


【荒城の月】

この曲を知らない人は少ないと思いますが、土井晩翠作詞・瀧廉太郎という日本でもアカデミックな詩人と作曲家による歌曲。日本的な情緒と西洋音楽の技法が独特の雰囲気を作っている曲ですね。この曲も色々なスタイルで演奏されたり、歌われたりしていますが、今日は正統派スタイルでどうぞ。この曲の他にも「月の砂漠」なんて曲もありますが、省略。


次にジャズやロック&ポップス系の曲です。

【Moonlight Serenade】

こちらはスイング時代のジャズの名曲。スイングジャズの時代の有名バンド「グレン・ミラー楽団」を率いていたグレン・ミラーの作った名曲です。グレン・ミラー楽団のバンドテーマにもなっていました。芸術は難解なものがレベルが高いなんて思っている人も多いかもしれませんが、前述のシェーンベルクのピエロと比べたら、なんと心地良い音楽でしょう。こういう多くの人が楽しめる、癒される音楽を作った人の方が、人間の生き方としては利他的な行為をしているとも言えるのです。


【Blue Moon】

この曲はいろいろな人が歌い演奏していますが、作者は数々の名作を生み出しているアメリカを代表する作詞家と作曲家のロレンツ・ハートとリチャード・ロジャースの名コンビが作った曲です。

歌っている歌手だけでもジャズ系の歌手からポップス系の歌手まですごい数です。ビリー・ホリデイ、ナット・キング・コール、フランク・シナトラ、ジュリー・ロンドン、エルビス・プレスリー等々、キリが無いですが、管理人の愛聴盤にも入っているジュリー・ロンドンの歌でどうぞ。


【Moonlight In Vermont】

1943年頃の作ですが、ヴァーモント州の美しい景色の情景描写から最後は男女の愛の契りで終わっている、ちょっと珍しいラヴソング?ですが、どちらかというとヴォーカルよりも多くのジャズメンにインストルメンタルで演奏される曲です。ナット・キング・コール・トリオの演奏で、これはコールの素晴らしいピアノのみ。歌は入っていません。


【It’s Only A Paper Moon】

1933年に、Harold Arlenが作曲し、作詞Billy Rose とE. Y. Harburgという人の共作で作られた曲です。ペーパームーンとはまさに紙のお月様ですが、当時のアメリカでは縁起物のようで、この上に座ると願いがかなったりするとして人気があったものです。この曲もベニー・グッドマンやナット・キング・コール、エラ・フィッツジェラルドや、日本では美空ひばりさんも歌っています。数多くの演奏家や歌手にカヴァーされている、ジャズの定番ともいえる曲ですね。なぜか気持ちがハッピーになる曲です。管理人もカラオケでよく歌います(もちろん下手です)(^0^)

今日はやはりこの曲ならこの人かなぁ~というナット・キング・コールの歌でどうぞ。さすが、自由自在という感じ、上手いですね!


【ミスタームーンライト】

ビートルズが「Beatles For Sale」というアルバムの中に収録した曲。オリジナルではなく、ロイ・リー・ジョンソンという人の作った曲をカヴァーしたものですが、まるでオリジナルのように見事に変身させています。もちろんこれを歌ったオリジナルのR&B系の歌手のものより大ヒット。ジョンのオリジナルのように感じてしまいます。本当にビートルズというのは、さほど有名ではない曲をまるで自分たちのオリジナルのようにしてしまうカヴァーの名人でもありました。まあ、前回の記事で取り上げたジョージ・マーティンの功績もあるとは思いますが。

動画はそのビートルズの歌と演奏です。


【ムーン・リバー】

オードリー・ヘップバーン主演の映画「ティファニーで朝食を」の主題歌となった曲として有名ですが、曲はその少し前に作られています。作詞ジョニー・マーサー・作曲ヘンリー・マンシーニ。映画ではヘップバーンが囁くように歌っていたのが印象的です。この曲も色々な人が歌っていますが、今日はそのヘップバーンの歌と映像でどうぞ。なかなか味のある歌唱です。この頃のオードリー、やっぱり美しい!


【Fly Me To The Moon】

超有名曲を忘れるところでした。

月に因む曲でこの曲を忘れるとは・・・

熱烈なラヴソングなんだけど、なぜ、英語の歌詞というのは詩的に感じるのかなぁ・・・日本語でこんなこと言ったらちょっと気恥ずかしいと思うんですね。それにしてもこの曲色々な人がカヴァーしています。いわゆるスタンダードと言われる名曲です。バート・ハワード(Bart Howard)という人が詞も曲も書いたものですが、最初原曲は3拍子でした。フランク・シナトラが歌って大ヒットしたこのバージョンから4拍子の編曲が多くなりました。

こういうクラシック以外の音楽というのは、同じ曲を歌いあるいは弾いても、まるで違うものになります。そこがまたクラシック音楽とは違う面白さでもあるのですね。


【Polka Dots And Moonbeams】

Jimmy Van Heusen(作曲)とJohnny Burke(作詞)の名コンビによる名曲。ポルカ・ドッツいわゆる水玉模様ですね。水玉模様の服を着た少女と月の光の下で出会う・・・というような歌詞の曲ですが、とてもロマンティックな甘い旋律の曲です。この曲は歌物よりもインストゥルメンタルの演奏のほうが多いような気がします。ビル・エヴァンスとウェス・モンゴメリーの名演、どちらにしようかと思いましたが、ビルのピアノにしました。ビルのピアノは甘さに流されない清々しさを感じさせるピアノです。

もちろん私もこのCDは所有していますが、録音が悪いのが難点。チャック・イスラエルスのベースもなかなか良いです。

ショパン 24の前奏曲 op.28

ショパンの24の前奏曲といえば、シューマンなどは小品の寄せ集めのような評価をしていたようですが、管理人的にはこの曲はショパンの作品の中でも際立ってリリカルな作品だと思っています。

平均律の全ての長調と短調の曲が24曲あり、バッハに傾倒していたショパンにとっては念願の作品でもあったようです。最初にこの曲を全編聴いたのは「クリストフ・エッシェンバッハ」のピアノによるものでしたが、素晴らしさに胸を打たれました。ほとんどが短い作品ですが、可憐な小品から重厚な音作りをしたものまで色々あります。特に最初に印象的だったのがop.28-4 ホ短調の前奏曲。ピアノを弾き始めた管理人が、この曲なら弾けそうと思って実際にピアノで音を出してみてビックリ!・・・こんな短い曲なのになんて素晴らしい曲なんだ・・・と思いました。技術的には難しくないので、すぐに弾けるようになりましたが、微妙に移り変わる左手の内声部、トップのメロディラインもクライマックスの部分を除いては音の跳躍のない静的な音ですが、陰影に富んだ素晴らしいものです。

この曲、以前このサイトで紹介したジェリー・マリガンというジャズのバリトン・サックス奏者の傑作アルバム「Night Lights」を紹介した時にも少し取り上げましたが、ショパンの曲に関しては、ピアノで演奏しないと曲の良さが損なわれてしまいます。ショパンという人は、ピアノという楽器が持つ特性や響きを知悉していた稀有な作曲家で、ピアノという楽器がどう音を並べると良い響きになるのかということを感覚的に身に付けていた作曲家だと思っています。だからショパンのピアノ曲は他の作曲家のピアノ作品よりもペダルの使い方も難しいのではないかと思います。

余談ですが、ジャズピアニストでピアノの響きというものに研ぎ澄まされた感覚を持っていたのがビル・エヴァンスだと思っています。クラシックファンの人もまだ聴いたことがなければ、ビルのピアノは聴いて欲しいと思います。ジャズはちょっと・・・と言う人はソロピアノのアルバムから聴いたほうが良いかもしれませんね。クラシックの音楽家の中にもビル・エヴァンスの愛好家は沢山いて、かのグレン・グールド氏もビルのアルバムを所有していたようです。

話が横道にそれてしまいましたが、この作品28の前奏曲、ショパンの作品の中では、絵に例えると練習曲集やバラードなどは油絵の具を何層も重ねた重厚な油絵という感じですが、24の前奏曲は透明水彩で描きながら、細部まで緻密な描き方をした作品というイメージです。ショパンの作品は駄作というものは少ないですが、この前奏曲集はおすすめの作品のひとつです。管理人が最初に感銘を受けた4番の前奏曲聴いてください。またまた下手くそですが自分で演奏した動画に貼り替えました。絵はかの有名なドラクロワが描いたショパン像です。ショパンという人物の内面まで表現されているような素晴らしい絵ですね。

Frédéric Chopin – Prelude in E-Minor (op.28 no.4)

【ポートレイト・イン・ジャズ】ビル・エヴァンス・トリオ

少しでもジャズを聴こうと思った人なら、知らない人はいないとも言える、ジャズのピアノトリオ演奏の定番中の定番。しかも傑作アルバムです。黒人のファンキーなピアノが好きと言う人にはあまり好かれていないかも知れませんが、そういう好みの問題は別にしてこのアルバムはピアノ・トリオというスタイルのひとつの新しい形を作ったともいえる、記念碑的な名盤です。

若くして夭折してしまった天才ベーシストスコット・ラファロとのインタープレイが特に有名ですが、そもそもベースと言う楽器はいわゆる縁の下の力持ち的な役割だったのを、ラファロはソロ楽器としてピアノと対等に演奏したということが、このアルバムを有名にしたひとつの要因ではありますが、そういうことも含めてビルのピアノも溌剌としており、変な言い方ですが、結構抽象的なアドリブを展開します。

そういう意味では、このアルバムと双璧をなすビル・エバンス・トリオ初期の傑作「ワルツ・フォー・デビー」のほうが、ずっと親しみやすい演奏と言えます。私事ですが、ロック&ポップスばかり聞いていた管理人の弟に学生の頃初めて当サイトでも紹介しているオスカー・ピーターソン「We Get Requests」を聴かせたら、すごくわかりやすくて喜んで聴いていましたが、次にこのビルの「Portrait in Jazz」を聴かせたら「難解で少しも良さがわからない」と言ったのが印象に残っています。確かに「枯葉」のちょっと変?ともいえる急速調の演奏や、ある意味このアルバムは特殊なアルバムかもしれません。

またこのアルバムの演奏が、この後に出てくるチック・コリアやキース・ジャレットなどのピアニストにも絶大な影響を与えたということもすごいことだと思います。視聴はディズニーの映画音楽などを多く手がけた作曲家のフランク・チャーチルの名作「Someday My Prince Will Come」邦題は「いつか王子様が」を聴いてみましょう。

【Someday My Prince Will Come】Bill Evans

いつも思うんですが、このビルの素晴らしい演奏を現代のクリアな音で録音されていたら、もっと素晴らしいものになると思うんですが、こればかりはどうしようもないですね。1959年12月の録音ですから、今から53年前の録音。でも、このちょっと時代を感じさせるアナログ的な音も味わい深いといえるのかもしれません。

蛇足ですが、このアルバムジャケットのビルの写真が、なんともまじめくさった感じで面白いですね。

Bill Evans-「I Will Say Goodbye」

今日は名盤紹介です。
ビル・エヴァンス・トリオのI Will Say Goodbye

以前から知っていたアルバムなんですが、なぜか持っていませんでした。
ついこの間手に入れて、初めて聴きました。少し前に紹介した「You Must Believe In Spring」に雰囲気がとても似ているアルバムです。演奏は、もちろん!素晴らしいです。しかも、このアルバムの選曲がとても良いのです。

冒頭のI Will Say Goodbyeをはじめとして、ミシェル・ルグラン、ジョニー・マンデル、アール・ジンダーズ、といったエヴァンスお気に入りの作曲家の作品に加えて、ハービー・ハンコックやバート・バカラック、オスカーハマーシュタインⅡ、スティーブ・スワロウなど管理人も大好きな作曲家の作品ばかり。ビルのオリジナルも1曲入っていますが、これもなかなかの秀作。

ビルのピアノは晩年の録音になって音質も大分良くなってきているので、ビル本来の透徹した美しいピアノ演奏スタイルが100%伝わってくるような気がします。晩年の傑作アルバムだと思います。「You Must Believe In Spring」はちょっと寒さが伝わってくるようなアルバムでしたが、こちらはもう少し温かみを感じさせてくれるアルバムです。

それにしても、ため息の出るような美しくも素晴らしい演奏です。なんでこんな素晴らしいピアノを弾ける人が早死にしてしまったのかと思うと残念でなりません。でも、こうして素晴らしい演奏をかなり多く残してくれたので、こうして聴くことができるのは本当にありがたいと思っています。

試聴はタイトルにもなっているミシェル・ルグランの「I Will Say Goodbye」ルグランの曲って本当に良い曲が多いですよね。管理人も大好きです

Bill Evans Trio -【I Will Say Goodbye】

余談です。バート・バカラックと書いて変換したらバーと馬鹿ラックと変換された(笑)ホントPCってバカですね^^;