Meets The Rhythm Section-アート・ペッパー

今日は久しぶりに、ジャズの名盤紹介です。

ジャズを聴く人でこのアルバムを知らない人はいない・・・というくらいの超有名盤です。1957年当時最強のリズム隊と言われた、マイルス・デイビスのリズムセクションに単身乗り込んで、大暴れ?したのがこのアート・ペッパーの傑作アルバムです。

因みにこのリズムセクションのメンバーは次のとおりです。

レッド・ガーランド(piano)
ポール・チェンバース(bass)
フィーリー・ジョー・ジョーンズ(drums)

当時イーストコーストで主に活躍していたジャズメンはほとんど黒人。しかもその黒人達の意識の中にはジャズこそは黒人の生み出した音楽だ・・・などというちょっと偏った意識もあったようです。ジャズは白人のヨーロッパ音楽の基(もとい)が無くては存在しなかったということを置き去りにしていたようなところもありますが、それくらいイーストコーストでは黒人ジャズミュージュシャンの力が大きかったということです。

その中に入って一人の白人アルトサックス奏者が、バリバリと吹きまくったのがこのアルバム。「白人にもスゲ~奴がいる」と言ったとか言わないとかそんな驚きの声も上がったくらい、ペッパーのサックスは素晴らしいです。その軽やかさと力強さ、バラードの歌心あふれるフレーズ、どれも取っても素晴らしいです。アート・ペッパーと言う人はとてもタンギングの強い吹き方をする人で、メリハリのある演奏はその辺りにも出ているんですね。

今日はアルバムの冒頭の曲。以前紹介したコール・ポーターの名曲「You’d Be So Nice To Come Home To」を聴いてみましょう。インストルメンタルでこの曲の演奏では最高クラスの名演だと思います。

ジョン・コルトレーンとバラード

ジョン・コルトレーンと言えば、正統的なハードバップからマイルス・デイビスのバンドを経てモード・ジャズを極め、晩年は神ががり的なフリージャズを演奏して、多くのファンを魅了したサックス奏者の巨人です。こんなコルトレーンですが、意外にもバラードの名手だったんですね。もちろん、コルトレーンがバラードを吹かせても上手いのはジャズファンなら誰でも知っていることですが、私はこのコルトレーンのバラードが特に好きです。

画家でもそうですが、段々と抽象的になっていったピカソなども写実画を描かせたらものすごく上手いです。ジャズ演奏家もこんなバラードを上手く演奏できる人は本物の技術と音楽性を併せ持っている演奏家と言えるでしょう。

「Violets for Your Furs」弾き語りのジャズシンガー、マット・デニスの作った名曲です。コルトレーン初期の名演奏。レッド・ガーランドのピアノがとても曲想とマッチしていてコルトレーンのサックスを引き立てていますね。

いや~、いつ聴いても格調高い名演奏ですね。素晴らしい!サックスって変に情緒的に吹かれると実に品のない、だらけた楽器になってしまうけど、抑制が効いていて、それでいて無味乾燥にならない上手い演奏だと思います。昔、日本の歌謡曲をムード音楽風にアレンジして吹いていた黒人のサックス奏者がいましたが、ああいうのを聴いてサックスってあんなもんかと嫌ってしまった人も多いのでは。ちょっと過激な発言でしたが、ご容赦(^_^;)

コルトレーンには、その名も「バラード」というアルバムや歌手のジョニー・ハートマンとの共演の名盤があります。コルトレーンのバラード演奏を聴きたい人にはおすすめです。