シベリウス

先日、みなとみらいホールで開催された、日本フィルの第286回横浜定期演奏会を聴きに行きました。当日の演目は「シベリウス」シベリウスといえば「交響詩フィンランディア」くらいしか聴いたことがなかったので、ちょっと興味はありましたが、その日の演奏の感想です。指揮はシベリウスの母国のフィンランドの若手指揮者「ピエタリ・インキネン」という人。

まず曲目は最初が交響曲第4番。

晦渋な曲として初演時も聴衆がとまどったというエピソードがある曲。確かに難解で管理人の正直な感想としては、無理やり難解にしている感じがしました。こう言ってはなんですが、古今の名曲といわれる曲は難解といわれてもその中に素晴らしい「歌」があったりします。マーラーなどがすごいのは、あの膨大な長い曲の中にも所々に美しい歌(ヴォーカルという意味ではありません)が出てきて聴く者を楽しませてくれます。パンフレットの解説者の大学の先生は驚くべき作曲技法なんて書いてありましたが、曲というのは難解に作るほうが簡単なのです。

素晴らしいメロディーや和音の響きそれでいて格調を落とさない音楽というのが一番難しいのではないでしょうか。時代が違うので比較するのは無茶かもしれませんが、バッハの曲は難解といわれるものが結構ありますが、難解なものなどほとんどありません。確かに従来の音楽から新しい音楽を生み出すのは大変なことですが、音楽とは読んで字のごとく、音を楽しむものなのです。もちろん人それぞれの感性は違うので、私はこのシベリウスが大好きでとても感動する、という人はそれはそれで幸せなことです。余談ですが、この曲の後半に入っている「グロッケンシュピール」いわゆる鉄琴、これはちょっと陳腐でした。もしかして作者はあまり難しくしてしまったので、ちょっとオチャラケて、入れてしまったのかななどと不謹慎なことを思いました(笑)

2曲目の第2番の交響曲。

こちらはシベリウスの作品の中では比較的よく演奏されるポピュラーな曲。2番と比べるとだいぶ曲としての良さもある曲だと思いました。ただ、なんていうのかなぁ~壮大なイメージはありなかなかだと思うんですが、映画などのBGMに使われるような感じの部分もあって(同行したお方も後で同じようなことを云ってました。)、純音楽的に聴いていて楽しいか?と問われると「否」という感じです。まあ、そう悪い曲では無いと思いますがこれをCDを買ってまで聴きたいとは思いませんでした。

レナード・バーンスタイン指揮のウィーンフィルという豪華な顔ぶれの演奏ですが、こうして改めて聴いてみると、そう悪い曲でもないですね(笑)

だいぶ、批判的な内容のことを書いてしまいましたが、西洋には過去にあまりに素晴らしい作曲家がたくさんいるので、このシベリウスくらいの時代の人は大変だなぁという妙な感想も抱きました。ただ、久しぶりに聴いた生の楽器の音はやはり良いですね。なんというかあのふくよかな響きは小さなイヤフォンなどでは絶対に味わえない豊かな響きです。まだ生演奏を聴いたことの無い人はぜひ、一度聴いてみて欲しいと思います。

久しぶりに演奏会に行って思ったこと。管理人自身も人からいただいたチケットで聴きに行ったのですが、演奏会に来ていた人たちのほとんどが中年~老年の人たちばかり。若い人は1割もいなかったのでは。これからますますクラシック音楽は年寄りの音楽になってしまうかもしれませんね。

2013.4.20みなとみらいホールでの日本フィルハーモニー交響楽団の演奏会
日本フィル演奏会「シベリウス交響曲第2番ニ長調 op.43」

写真はその演奏会の写真です。(実は撮影禁止)管理人いつも思うんですが、演奏中は撮影禁止というのはわかりますが、演奏が終わって拍手を浴びている時など別に撮影しても良いのではないかと思いますが、この辺がクラシック音楽の世界の偏狭さ。ますます若者がクラシック音楽離れをするのもわかるような気がします。

【弦楽のためのアダージョ】サミュエル・バーバー

サミュエル・バーバーという作曲家の名前は知らなくても、この曲は耳にしたことのある人も多いのではないかと思います。ジョン・F・ケネディの葬儀でもBGMに使われたことのある曲です。

こんなに叙情的な曲なのに、なぜか、葬送の曲みたいに葬儀などで使われることが多いので、作曲者のバーバー自身が不満を抱いていたのも無理もないと思います。あまりに荘厳な感じがするのがイメージ的にそういう使われ方をしてしまうのではないかと思います。

管理人はいつも思うのですが、たいていの人は音楽を純音楽的に聴かないで、その曲のもつ雰囲気や感じ方をビジュアル的に捉えたり、そのときの自分の置かれている状況やそれに伴う感情などと一体化して聴いてしまう傾向があるので、この曲が葬儀に使われたりしちゃうんですよね。ちょっと言いたいことが上手く表現できませんが、「音楽は純粋に音楽として聴こうよ」ということです。もちろん、聴き方は人それぞれ自由ですから、これはあくまでも管理人の音楽に対するアプローチを言ったまでです。

弦楽器(ここでは弓で弾く弦楽器のことを言っています)というのは、他の楽器が入らないと、独自の音の渦が生み出されるような気がします。ただ、弦楽4重奏のように各楽器の個性が明確に出る編成の場合は、弦の持つ独特の荘厳さは出ないと思いますが、この曲のように、かなりの数の弦楽器が集まると、特殊な音世界が拡がる感じがします。弓で弾く楽器は撥音が無くなるからかもしれません。

管理人の感想としては、この曲を始めて聴いた時、ぞくっとくる戦慄を感じたのを覚えています。そのくらいこの曲はインパクトのある曲だと思います。弦楽のためだけに書かれた曲では最高傑作の部類に入ると思います。

今日はN饗の演奏で、演奏は良いのですが、音が悪いのが難点。

【弦楽のためのアダージョ】サミュエル・バーバー

サミュエル・バーバー(Samuel Barber、1910年3月9日 – 1981年1月23日)は、米国の作曲家。
現代作曲家の中では、ロマン的な情緒をたたえた作品を多く書いたことで知られています。聴衆の前ではあまり演奏することはなかったようですが、ピアニストとしても卓越した技量を持っていたと言われています。

Samuel Barber-Adagio for Strings
良い音で聴きたい人はこちらからどうぞ。
レナード・バーンスタイン指揮のニューヨークフィルの演奏です。素晴らしい!

ビル・エヴァンスのピアノをバックに歌えた幸運な歌手達

ビル・エヴァンスといえば、ジャズが好きな人なら知らない人はいないと思われる著名なピアニストですが、管理人もジャンルを越えて最も好きなピアニストです。

ビルがどのようなピアニストであったか知らない人は拙サイトの【ビル・エヴァンス】見ていただくとして、彼の51年の短い生涯・・・プロとしての音楽活動はもっと短いですが・・・のうちビルのピアノをバックに歌えた幸運な歌手は何人くらいいるのでしょうか?

管理人の把握しているだけで3人です。非公式の場やレコードやCDになっていないライブハウスやジャズクラブでのものは把握できないのでわかりませんが、現在、海賊盤ではなく残っているのは、モニカ・セタルンドというスウェーデンの国民的女性歌手とこちらもアメリカを代表する大歌手のトニー・ベネット、あともう1人はルーシー・リードという女性歌手の3人だけです。

ルーシー・リードとの共演盤はビルのマニアの間では結構有名盤なんですが、管理人のコレクションにはありません。ので、こちらはどんなものか書けないのでモニカ盤とトニー・ベネット盤を簡単に紹介してみます。

モニカとの共演盤はピアノ・トリオの演奏で、スェーデンのスタジオでの録音。当時北欧のスタジオの録音盤は音質がすごく良く、ビルのピアノもとても清々しい感じで、モニカの歌を盛りたてています。ビルのピアノは音数も少なく派手ではありませんが、無駄な音を排してここにはこの音しか無い・・・というくらい完成度の高い演奏に思えます。こんなピアノをバックに歌えたモニカは幸せな歌手だったと思います。モニカの歌も完璧なバックを得て素晴らしいです。

もう1人の歌手トニー・ベネットとの共演、こちらはピアノ・トリオではなく、ビルのピアノだけの伴奏。こちらは伴奏というよりは歌とピアノの競演という感じです。トニー・ベネットもいつに無く緊張感のある歌唱を披露してくれます。ビルのピアノもかなり力が入っている感じです。良い意味でお互いに触発された歌と演奏になっているようです。

今日はモニカとの共演を聴いてもらいます。スェーデンでのライブ演奏です。
曲は管理人の大好きな作曲家でピアニストの「ミシェル・ルグラン」
の名曲「Once Upon A Summertime」です。

Once Upon A Summertime

こちらはライブバージョンです。投稿者のリクエストで埋め込み禁止になっているので、リンクしておきます。
Monica with Bill Evans Trio “Once upon a Summertime”

CDのほうは、ベースがチャック・イスラエルですがライブのほうはエディ・ゴメスなのでこちらのほうが、時期的には後ということになりますね。

余談ですが、ルグランの曲というのは本当に良い曲が多い。何というか、前述の拙サイトにも書きましたが、モダンな和声と斬新なメロディーに若干のラテンテイスト、素晴らしい作曲家だと思います。

こちらの動画は、レナード・バーンスタイン作曲の「Some Other Time」こちらのライブ映像のベースは、チャック・イスラエルです。

(あなたとの)過ぎ去りし時はどこへ?
やりたかったこと、言ってなかったことがたくさんあるわ。
いつかきっと・・・・

そんな切ない感情をモニカは囁くように情感たっぷりと歌っています。ビルのピアノも感情を抑えながらも歌心あふれる演奏。こちらのほうがモニカの歌もビルのピアノもじっくりと味わえるかもしれません。この動画はモニカの晩年のトークが入っています。スウェーデン語なのでまるでわかりませんが、若い頃あれだけ綺麗だったモニカも晩年はおばあちゃん・・・当たり前のことですが、誰でも齢には勝てないということですね。モニカも少し前にお亡くなりになられました。